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伊藤和也さんを二度殺すな

今、国会では、補給支援特別措置法(新テロ特措法)の審議が行われようとしています。 麻生内閣、自公政権は、アメリカの要望に応える事に必死のようです。そして、民主党はそれを政争の道具のように扱っていると報道されています。

阿修羅ブログにて、管理人も大変共感した桂氏の主張(伊藤和也さんを二度殺すな―絶対に許せない日本のアフガニスタン参戦)を紹介していますが、以下は、そこで紹介されている伊勢崎賢治さんの「AERA」でのインタビュー記事の抜粋です。


伊勢崎賢治は、「心配していたことが起きた」と思った。
 というのも昨年11月5日、国会の衆議院「テロ対策特別委員会」に参考人として呼ばれ、
事件を予測するような発言をしていたからだ。国会では、インド洋での米艦船に対する給油
継続と自衛隊の地上部隊をアフガンに派遣する問題が議論されていた。伊勢崎は、それらが
「国益にならない」と断言し、理由をあげた。
 「民間邦人、NGOへの保安の影響です。今、私がテロリストだったら、戦略的にこう考
えます。次のターゲットは日本人です。日本人はソフトターゲットです」
 発言は不幸にも伊藤さんの死という形で現実になった。
(中略)
 武装解除によって国内のバランスが崩れ、タリバンが息を吹き返したことは確かだった。
治安が悪くなっているのは、事件が比較的安全と思われていたジャララバード近郊で起きた
ことが証明していた。
 「だからと言って、武装解除が失敗だとは一概には言えないんですよ。軍事的、政治的な
側面のどちらのアングルから見るかで変わります」
 アヘンなどの原料となる世界のケシ栽培の9割を占め、飢餓がひろがるアフガンに、国際
社会が手を拱いていることは許されないと確信している。伊勢崎が最も恐れるのは、紛争地
域で日本人の犠牲者が出るたびに、自衛隊の問題と関連づけて関係者が批判されたり、政治
的に語られることだ。
 「ペシャワール会はNGOの鑑ですし、現地ではどこよりも信頼があり、最高の危機管理
をしていたはずです。アフガンで日本人が犠牲になったのは初めてですが、他の国の人間は
すでに殺されています。そういう意味では今回のことは“事故”だと思っています。これに
よって、それ見たことかと思われるのがいちばん良くない」

 加えて、以下にペシャワール会 現地代表中村哲氏の伊藤和也さんへの弔辞を転載します。 


 まず、ダラエヌール、シェイワ、シギの全ての人々が伊藤くんの捜索活動や遺体搬送に協力し、そして今日、こうして多くの方々が哀悼の意を表して下さる ことに、心からの感謝を申し上げます。

 伊藤くんの遺徳については、多くの方々が様々に生前のことを述べられたので、私がくどくどと申すことは無用かと存じます。ダラエヌールの小さな子供や ご婦人方に至るまで、悲しみを表し、私たちPMSへの同情と感謝を改めていただいたことは、悲しみの中にあっても、光栄という他、ありません。

 伊藤くんを殺したのはアフガン人ではありません。人間ではありません。今やアフガニスタンを蝕む暴力であります。政治的なものであれ、物取り強盗であ れ、心ない暴力によって彼は殺されました。
 不幸にして世の中には、伊藤くんの死を政治目的に利用しようとする者もいます。また、アフガニスタンという国の文化を知らず、PMSと皆さんとの交誼を知らず、様々な噂や論評が横行いたします。その中には聞くに堪えない無理解、戦争肯定が少なからずあります。そうして生まれる武力干渉が、現在のアフ ガニスタンの混乱を招いてきました。このことを否定する者は、今日集まられた方々の中には居ないと思います。私たちはもう、戦争に疲れました。

 私たちPMSは、極力アフガンの文化を尊重し、アフガン人がアフガンのふるさとで、アフガンのやり方で生活ができるように、平和なやり方で、事業を進めてきました。繰り返しますが、「平和に」です。戦争と暴力主義は、無知と臆病から生まれ、解決にはなりません。
 いったい、イスラム教徒であることが罪悪でしょうか。アフガン人が自らの掟に従って生きることが悪いことでしょうか。私はキリスト教徒であります。しかし、だからとて、ただの一度としてアフガン人から偏見を持たれたことはありません。良い事は誰にとっても良いことで、悪い事は誰にとっても悪い事であります。現に、このようにして全てのクズクナールの人々が集い、異教徒である伊藤くんの死を悼んでいるではありませんか。心ない者はどこにも居ます。今回の事件でアフガン人と日本人との間に亀裂があってはなりません。
 アフガン人も日本人も、親として、人としての悲しみに、国境はありません。命の尊さに国境はありません。「困ったときの友こそ、真の友だ」といいます。今アフガニスタンは史上最悪のときを経ようとしつつあります。500万人以上の人々が飢餓に直面し、無用な戦争で多くの罪のない人々が命を落としています。
 かつて60年前、日本もまた、戦争で、国土が廃墟となりました。200万の兵士と、100万人の市民が死に、アジアの近隣諸国にはそれ以上の惨禍をもたらしました。私も、生まれた直後の様子を良く覚えております。外国人はいつでも逃げることができます。しかし、この廃墟と化した土地にしがみついて生きなければならぬアフガン人は、どこにも逃げ場所がありません。であればこそ、私たちPMSは、変わらずに事業を継続して、皆さんと苦楽を共に致したいと思います。それがまた、伊藤くんへの追悼であり、過去の戦争で死んだ人々の鎮魂であります。皆さんの協力と要望がある限り、PMSの活動を止むことなく継続することを誓い、弔辞と致します。

 2008年9月9日
          アフガニスタン・シェイワにて          ペシャワール会現地代表・中村哲

(葬儀は、現地時間午前9時からシェイワに建設中のマドラッサ敷地内に約800人が集まり開かれました。各村の有力者らが弔辞を読み上げ、祈りを捧げました。 村人との絆はより深くなりました 


 

伊勢崎さんと、中村さんの主張の根っこは同じです。伊藤さんの死を、「テロへの戦い」などというような政治利用はするな、そして、今アフガンに必要なのは、自衛隊がアメリカ軍の手下になることではない、 という事です。

今、麻生政権が行おうとしていることは、 「無知と臆病から生まれ」た、伊藤和也さんを2度殺す最悪の行為に等しいと感じます。

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theme : 麻生内閣
genre : 政治・経済

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